理事長挨拶

特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
理事長 田上順次

理事長

歯科保存学という私たちの学会名を聞いて、皆様はどのような学会かお分かりになりますでしょうか。「なんとなく想像はつくけれども・・・」という方がほとんどかと思います。ごあいさつに代えて、歯科保存学についてご説明させていただきます。

インプラントや再生医療など失われた歯に対する最新の研究成果は、近年の大きな技術革新ですが、「できることならこうした治療のお世話にならずに、自分の健康な歯で一生を過ごしたい」と誰もが考えておられると思います。歯科保存学というのはまさにそうした皆様の思いにこたえるための専門の学術団体です。すなわち、歯を守る、歯の神経を守る、歯周組織(歯肉や歯を支える顎の骨)を守ることにより、皆様の歯が一生快適に使えるようにすることを目的とする専門家集団です。

そもそも歯がなくなる原因のほとんどは、むし歯と歯周病です。歯科保存学会では、むし歯と歯周病の予防に取り組み、初期の病状に対しては歯を削ったり神経をとらずに、また歯肉を切り取ったりせずに治療し、病状を悪化させないための治療法、材料、装置の開発に取り組んでいます。むし歯や歯周病が進行してしまった場合でも、歯の神経や歯周組織の再生治療を含めて、歯の形と働きを復活させて、長く使用できるような治療を提供します。これらの歯科医療の高度化と普及のために、本学会は活動しています。

小児歯科はもとより、歯科矯正でも歯と歯周組織が健康であることが前提となります。さらに冠をかぶせる、ブリッジや入れ歯を使う際にも、土台となる歯については、むし歯への対応、長期間問題が起きないような信頼性の高い歯の神経の治療、そしてそれをしっかりと支える健康な歯周組織が基盤となります。ホワイトニングを含めた審美歯科治療、新素材による歯の治療、ITを活用したデジタル歯科治療などさまざまな先進的な歯科治療が登場してきていますが、いずれも歯科保存学抜きには成り立ちません。

さらに口の働きが低下すると、全身的にも様々な影響が出ることも明らかになってきています。口の働きを適切に維持するためには、まず歯と歯周組織が健康であることが基本です。健康で快適な生活を送るためにも、まずは自分の歯を大切にすることがとても重要です。

「歯科保存学」は、すべての歯科治療の基盤となる学問です。生まれてから一生にわたって、皆様の歯と口の健康を守り、快適な生活を保障できるよう、私たちは「歯の保存専門家」として貢献してゆきたいと願っております。

2019年4月

  • 日本歯科保存学会2019年度秋季学術大会(第151回)
  • 「日本歯科保存学会」を名乗る不審な電話にご注意ください。
  • 利益相反(COI)
  • 研究臨床トレンド
  • う蝕治療ガイドライン
  • J-stage「日本歯科保存学雑誌」掲載論文をJ-STAGEで公開しています。 掲載論文は学術論文検索エンジン「Google Scholar」 で検索できます。