理事長挨拶 「口」から「健康」を支える歯科保存

特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
理事長 林 美加子

理事長

日本歯科保存学会は、「歯を抜くことなく、いつまでも自分の歯で噛めるように治療を行い、大切な歯を口の中に維持、保存し機能させる」という考えのもとに、むし歯と歯周病の予防と治療に焦点を当てて、日本の歯科医学と歯科医療を牽引してきた学術団体です。

昨今の報道で、SDGsというフレーズを聞かない日はありません。SDGsの17項目の一つの「すべての人に健康と福祉を」を口の健康から実現できるのは歯科保存です。とりわけ、人生100年時代というロングスパンでの口の健康には、歯質・歯髄・歯周組織の健康を維持する歯科保存学は無くてはならない学問です。「健康寿命の延伸」という社会のニーズに応えながら、今こそ、歯科保存のアプローチが人々の「いのち」を守るために中心的な役割を果たす時代が来ています。日本歯科保存学会は、生涯にわたって口の健康を守るビジョンを、医療分野のみならず、社会に対して発信する最前線に立って参ります。

本学会の特徴は、保存修復学(歯のつめ物によるむし歯治療)、歯内療法学(歯の神経の治療)、歯周治療学(歯周病の治療)の3領域の接点を活かして、質の高い研究を展開する力であると自負しています。とりわけ、革新的・先進的な診断法、予防法、および治療法の開発では、さまざまな成果をあげてきました。これからも、より良い歯科医療を学術から支えることで、直接、社会に貢献して参る決意です。

ところで、医療分野では「連携」がキーワードになっています。例えば、本学会の重要な活動でもある「診療ガイドライン」の策定では、関連学会と密に連携して、患者中心の医療のために最善の情報を発信しています。また、産学官連携では、歯科イノベーションを描いて、新たな診断技術、予防・治療法の開発を目標に、学会として行政や産業界との連携を進化させています。さらに、歯科衛生士や歯科技工士をはじめとして、医師、看護師、薬剤師やソーシャルワーカーなど多職種連携を拡大して、豊かな地域医療へとつながる流れを加速させたいと考えています。

今後とも、口から健康を支える日本歯科保存学会を、何卒宜しくお願い申し上げます。

2023年4月

  • 日本歯科保存学会2024年度春季学術大会(第160回)
  • 2022年度名誉受賞者のご紹介
  • 2022年度各賞受賞者のご紹介
  • 「日本歯科保存学会」を名乗る不審な電話にご注意ください。
  • 利益相反(COI)
  • う蝕治療ガイドライン
  • J-stage「日本歯科保存学雑誌」掲載論文をJ-STAGEで公開しています。 掲載論文は学術論文検索エンジン「Google Scholar」 で検索できます。