理事長挨拶 口腔疾病構造の変化に対する新しい歯科保存治療の推進

特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
理事長 石井信之

理事長

日本歯科保存学会を代表致しまして、ご挨拶を申し上げます。

日本歯科保存学会は昭和30年に設立以来、保存修復学、歯内療法学、および歯周療法学の3学術領域から構成され、「歯を抜くことなく、いつまでも自分の歯で噛めるように治療を行い、大切な歯を口の中に維持、保存し機能させる」という共通目標の元に、日本の歯科医学と歯科医療を牽引してきた伝統ある学術団体であります。従って、本学会は、3領域の専門家が一致協力しながら総合的に取り組みを重ねていることを大きな特徴としています。日本歯科保存学会がこれまで国民の皆様の口腔と全身の健康増進に果たしてきた役割は極めて大きいものがあります。

現在、国内の歯科医療は未曾有の超高齢社会を迎え、有病者に対する歯科医療の対応、口腔疾病構造の変化、および高齢者における全身疾患への関与に対する対応が急務とされています。地域包括ケアシステムが確立される中で歯科医療の提供体制も大きく変革致します。

日本歯科保存学会は、歯科医療の基盤を支える学会として、急速な口腔疾病構造の変化に対する学術活動と新しい歯科医療提供体制に対応した歯科保存治療の実践を率先して提案する使命を担っています。そのためには、歯科医療の基盤を担う学会として、保存学領域の「研究」、「臨床」および「教育・研修」を三位一体のものとして充実させる明確な目標が必要です。私は理事長として、2021年4月からの2年間において、「口腔疾病構造の変化に対応する新しい歯科保存治療の推進」という目標を掲げ、日本歯科保存学会の会員が一丸となって活動する体制を整備し、日本の歯科医学はもとより世界に向けて発信する研究、臨床、教育・研修の開発に挑みます。また、これまで日本歯科保存学会の歩んで来た歴史的経緯に敬意を表しつつ、国内のみならず国際的にも、リーダーシップを発揮出来る学会作りを、引き続きしっかりと推進したいと思います。

具体的な目標として、以下の3つを挙げさせていただきます。
1.研究:超高齢社会への対応として根面う蝕、歯牙破折のメカニズム解明、および医科歯科連携による全身の健康に対するエビデンスを構築し臨床研究を推進します。
2.臨床:診療ガイドラインの充実と普及を進め、疾病構造の変化に対応した高度診断と治療技術開発、医療安全を担保した有病者への歯科保存治療の普及、および歯科衛生士との連携を充実させたチーム医療の充実を推進します。
3. 教育・研修:日本歯科専門医機構の設立を受け、本学会の専門医制度が関連連携学会との協力を充実させ、広く国民に理解される専門医制度へ加入出来るように尽力し、良質な歯科保存治療の普及を果たします。

これらの、目標を達成するには、会員全ての皆様のご理解とご協力をいただくことが必須です。特に、良質な歯科保存治療の普及にあたっては、本学会の活動目的を共有する保存系関連学会(歯周病学会、歯内療法学会、接着歯学会、歯科審美学会、レーザー歯学会)の先生方や歯科衛生士の皆様との密な連携を欠くことが出来ません。加えて、国内外の関係学術団体等とも緊密に連携し、しっかりとコンセンサスを形成しながら、我々の目標を達成していきたいと念じています。これまで本学会が堅持してきた理念を見失うことなく、学会の更なる発展に向けて尽力してまいります。

本学会への、ご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。

2021年4月

  • 日本歯科保存学会2021年度秋季学術大会(第155回)
  • 2020年度各賞受賞者のご紹介
  • 「日本歯科保存学会」を名乗る不審な電話にご注意ください。
  • 利益相反(COI)
  • う蝕治療ガイドライン
  • J-stage「日本歯科保存学雑誌」掲載論文をJ-STAGEで公開しています。 掲載論文は学術論文検索エンジン「Google Scholar」 で検索できます。